本編観てないのに『おおかみこどもの雨と雪』のコンテを読んだぜぇ(^-^)/ワイルドだろ〜

ストーリーを追ったら誰でも思う「学生なんだから避妊しろよ」という意見は二重に間違っている。一つは単純に「学生だって子供産んでも良いだろ」という話。もちろんおれも、若くして子供がいる人を見ると思わず親子の年の差を計算して「コイツ齢○○にして中出ししたorされたのか」と唇を噛み締める側の人間だ。学生なのに生で性行為に励む連中を憎む気持ちは君たちと変わらない。だが「学生だから避妊しろ」という計画性のなさを叩く意見は「蓄えのない奴は子供を産むな」という話にすり替わり、最終的には低所得者強制パイプカット法案が賛成多数で可決され、おれの精管が政府の手によって切断されるディストピア社会が到来するのは明らかだ。その点からこの意見には大いに反対の声を上げたい。
世相を斬る社会派ブログとしての一面を披露したあとで残りの理由を挙げると、主人公は後先考えずに行動するタイプの人として、ちゃんと描かれているのだ。野菜を育てようとする主人公はジャガイモのタネイモをそのまま土に埋めてしまう。植え付け前にイモを切らないとダメなことぐらい「タネイモ」でググれば一番上のサイトにも出てくるのに、まったく気にしない。「まぁ土に入れとけば大丈夫だろ。彼のタネイモも膣に挿れたら産まれたし」と土も膣も一緒の安易な考えで野菜を育てようとする。母なる大地とはよく言うもののこれじゃ流石にひどすぎる。その主人公の姿を見ると、あー彼女もアホなんだなー、細田守作品の伝統をちゃんと受け継いだキャラクターなんだなーと感動してしまう。だから避妊も思い至らなかったんじゃないかなーって気がする。
それより引っかかったのが、わざわざ奨学金にアルバイトまでして大学行ったのに何がやりたかったのかさっぱり描かれない所。まるで母親となるために大学に行ったような感じになってる。まぁ学生の大半はセックスか就職のために大学へ行くので間違いではないのだが(おれは勉強をするため大学へ行ったので結局セックスも就職もできなかった)、子育て以外にまったく興味を持たない人物として描かれている。でも最後は子供もいなくなって、早すぎる余生を与えられちゃう。そこで笑うんだけど主人公はつらい時にも笑う人なので真意がわからず、そのまま作品が終わってしまうのは何か怖いなーと思った。あとは読んでて気になったところ。

  • タレの入った瓶に焼き鳥を突っ込むのはセックスの暗喩 (これがアニメ批評)
    • サマーウォーズ』の料理はコンテでは美味そうだったのにアニメだと不味そうだった
  • 細田守作品って死んだ人や消えてしまう人の呪縛に捕らわれる話多いな。
    • つらい時に笑うのも死んだ父親の教えだし、子供育てるのも彼の声が聞こえたからだし
      • 『オマツリ』から全部そうか。オマツリ男爵を好意的に描くと『時かけ』以降の主人公になるのか
  • 時かけ』や『サマーウォーズ』と違って話が一直線に進む感じじゃないので、実際に作品見ると印象かなり変わりそう
  • コンテに「こども特有の動き」って時々描いてあった
  • 笑顔でも何考えてるか分からないっていうのはいいな。『トイ・ストーリー』のキャラが無表情なのと同じで観客が推測するしかなくて
    • 笑顔で作品が終わるのは『オマツリ』もそうか
  • コンテだと狼形態でもケモノ寄りなんで、ゴミ収集の人も新種発見って驚きそう
    • ポニョを皆が金魚って呼んでた違和感と似てる。『ポニョ』は最終的にそんなの気にならない地点まで到達するんだけど
  • 彼の風体がオタの想像する自分自身みたいな感じでちょっと
    • ボサボサの髪とか無精髭とかヨレヨレの服とか出しとけばオタは感情移入すると思ったら大間違いだ
  • 主人公、彼と会うときも別れるときも「気付く」だけで画面は変わらない
    • なぜか色々気付く人として描かれる
      • でも妊娠に気付くのはつわりのせい。つわり→妊娠はもういいよ。母の力で着床を悟って欲しい
  • 奥寺佐渡子脚本ということで『お引越し』を思い出すな。山を登ったり。あと『台風クラブ
  • 狼男はキジに負けて死ぬ。弱い
    • グレンラガン』が地上に脱出した父親を探す話かと思ったら2話で死んでた感じで良い
  • 占領軍の兵士と恋に落ちたけど相手は戦死してしまったみたいな話か
  • 長回しのカットを最近使うようになったけど、あんま成功してないような
  • つらい時に笑う主人公の身振りは子供たちに受け継がれてるのか
    • 雨は彼に、雪は主人公に似てるって訳でもないよな。彼はちゃんと日常生活は送れてたんだから
      • 彼の遺伝子だけを色濃く受け継いだ、自分にあまり似ていない子供たちを育てる話だったら嫌だな