オタテロリストにおれはなる!

細田守版『時をかける少女』の話になり「主人公の真琴は愛すべきバカって扱いになってるけど本当は嫌な奴だよねー。だって親友の果穂が自分のせいで怪我したのに過去へ戻って治してあげないでしょ。アレって『かわいそうな果穂。でも貴方が悪いのよ、私の男にツバを付けるから。体の傷は貴方に架せられた十字架、指で傷をなぞるたび自分のした愚行を悔いるが良いわ!』ってことだろ。ホント悪女だわー」と言ったら
「あそこでタイムリープしたら脚本として成立しないじゃん」と返された。
そうだ、その通り。これが正論だ。しかしおれが言いたいのは正論じゃない。いかにして作品を歪め自意識を捻じ込むか。それに命を賭けているんだ。良識派の彼らは口を揃えて言う。

いやーそれは違うよ。インタビューで監督が

制作者に飼われた犬め! お前は関連商品を全て購入し制作者に貢いでろ。そしてオーディオコメンタリーを一生聞いていれば良いんだ。制作者なんて糞食らえ。ファックだファック。制作者の意図は聞くモノじゃなくて受け手が捏造するモノなんだ。何様のつもりだ制作者。おれの楽しみを奪う気か。子離れという言葉を知らないのか。作品を創った上に語りだすなんてズル過ぎるよ!
もはやオタに残されたのは道はテロしかない。オタテロリズム。『耳をすませば』を見て「死にたい」と敗北宣言をするのではなく「二人で坂を登るという行為はフロイト的に考えれば明らかに性交の暗喩!」と声高に叫び制作者と視聴者に反旗を翻すのだ。もうそんな戦い方しかできない。間違ってるのはおれじゃない、アニメのほうだ!


あと『時かけ』のラストは女性観客向けにキスさせた方が良かったんじゃないかなーと思っていたので、実際に女性の意見を聞いてみようとサークルの女子に話を振った時の会話。

おれ「ラストでキスしないけどあのシーンはやっぱ…」
女子「キスしないのが良いですよね! 細田さん女の子の気持ちを分かってますよー。キスさせちゃう監督はダメです。モテないですよー。」
おれ「そ、そうだよねー、うむ。細田分かってる分かってる。」

やはりテロしかない。