『ef - a tale of melodies.』のヒロインは誰に殺されたのか?

ef - a tale of melodies.』見終わった。一期の方が出来は良いと思うのだけれど「こんなお話とキャラじゃ普通の演出してもアホらしいだけだろー」と崖の上のビンタで証明してしまう8話にグッっときたので応援したくなってしまった。ということでヒロインが何の脈絡もなく車に轢かれて死ぬ10話を中心に、いわゆる援護射撃。ファンもアンチも撃ち殺すような感じで。
「討ち取ったりー」みたいな格好でヒロインを抱きかかえながら歩く主人公(銀髪)のエンドロールに誰もが「救急車呼べよ!」「そもそも展開が唐突過ぎるよ!」とツッコミを入れてしまう10話。だが少し待って欲しい。彼女は本当に「車に轢かれて」死んだのだろうか。私自身も上でそのように書いてしまったが、よくよく10話を見てみれば車は一度たりとも画面に映ってはいないのだ。ヒロインが轢かれるシーンにおいて、クラクションとブレーキ音はすれど車そのものの姿は現しておらず、画面には発光する二つの円が見えるのみ。我々は音や原作の展開からその円をフロントライトと認識し「車に轢かれた」と推測しているに過ぎないのだ。これでは証拠不十分で不起訴になっても仕方がない。
トリックだ! 我々はハメられたのだ。車は濡れ衣を着せられただけで真犯人は別に存在する! 車よ疑ってすまなかった、釈放だ。誰だ、誰が一体ヒロインをあんな目に。そこでもう一度映像を洗いなおすと、ヒロインが被害に会う直前、唐突に挿入される跳ねるボール。コイツが怪しい。そもそもヒロインは転がってきたボールを拾おうとして事件に巻き込まれたはずだ。なのに、どうして跳ねるボールが。
ん? 跳ねるボール? どこかで見覚えが。アニオタなら誰もが思い出すであろうデジャヴ。跳ねるボールはオタにとって馴染み深いものではなかったのか。そう、そうだバウンシング・ボールだ。あの色や形、そっくりだ! そして転がってきたボールも共犯だろう。あんな一色塗りの円をボールとして認識する方がどうかしている。アイツらが真犯人に違いない。ヒロインはバウンシング・ボールのせいで死んだ。ってことはつまりアニメに殺されたのか! なんてこった、アニメが真犯人だったなんて。アニメは無意味に美少女を殺す。その通りだ。ここでバウンシング・ボールをご存知でない方々のために、その貴重な姿を捉えた映像をYouTubeで見つけたのでご覧下さい。

あーホウレンソウ好きの水兵じゃないよ。55秒くらいから出てくる奴。そう無邪気に飛び跳ねてるアレ。なんて恐ろしい姿! そして人々を歌わせる存在であったバウンシング・ボールによってヒロインが惨殺されるからこそ『melodies』と冠付けられていたわけか。すべては繋がった。真実はいつも一つ。おれに不可能はない。犯人分かっちゃったんですけど。うちのカミさんがね。怖いぜ、怖すぎるぜバウンシング・ボール。


昼ドラ顔負けの突拍子もない展開をもっともらしく見せるようにするのではなく、逆方向に突きつめることで必然にしか思えないようにしてしまうところが面白かったなー。あとは残った感想をば。

  • そもそも10話以外でも『ef』に車が出てきたカットなど存在しない。これはもはや『ef』の世界には車の概念がないとしか考えられない。そこで謎が一つ解明された。主人公は救急車を呼ばなかったのではない、あの世界には救急車が存在しなかったんだ! って書こうかと思ったんだけど10話しか録画してなかったから分からんのだよなー。出てくる可能性があれば8話だろうけど。
  • モブキャラも8話と12話以外出てこなかったと思うんだけど。10話は声優が5人しか使われてないってすごいよなー。車が存在しても運転手がいないだろ。
    • デジタル放送で解像度が上がった今、モブキャラをどう処理するかって結構重要な問題だと勝手に思ってるんだけどなー。新房作品だけじゃなく『かんなぎ』もモブキャラの処理が作品内容にも繋がってるような。
      • そういや動かないとモブって言わないんだっけか。メインキャラ以外の名前すらないキャラって意味で使ってるんだけどまぁいいや。
  • 残された謎としては、なぜアスファルトの上で怪我したのに木陰へ移動しているのか問題が存在するが他の人にまかせよう。
  • 12話のラスト。主人公(銀髪)とヒロイン(金髪)の会話って久瀬さんが死んだ後の出来事なのかなーとなんとなく思ったのだがどうなんでしょうか。ああいうのって分かる人には分かるような仕掛けがしてあるもんだけど。
  • 7話の久瀬さんなぜなぜ攻撃の時「どうしてモード学園コクーンタワーみたいな空間の裂け方してるんだろ」と思ったら原作ではレイプしてるのか。なるへそ。