ひとりでできるもん

映画館行ったら観客がおれとオッサンの二人だけ。列も同じで席を一つ挟み着席。観客が少ないのは別に構わないんだけど上映を待ってたら映画盗撮防止キャンペーンの宣伝が流れたのよ。カメラ男がロボットダンスするやつ。そんで「不審な行為を見かけましたら劇場スタッフまでお知らせください。直ちに警察に通報します」とのアナウンス。つまりこれは何かあったらおれが隣のオッサンを突き出せってことでしょ。たった一人でオッサンの監視という重責を負わされたわけですよ。江戸時代ですら五人組なのに。そんな面倒な事態は勘弁して欲しいなー。変な気を起こすんじゃないぞオッサンと一瞥。そのため上映中も隣が気になって仕方ない。
ん? なんかオッサンの様子が変だ。ヒィィッ! オッサンがカバンをまさぐっている! 盗撮男よー NO MORE 映画泥棒よー。あーなんだペットボトル出しただけかー。よかったよかった。と思ったら今度はオッサン小刻みに震えている。何をしてるんだ! ここは上野地下特選劇場じゃないぞーってポップコーン食ってるー。それに食うスピード速い。おれも食いてー。って今度はオッサン泣いてる! いい歳して! そもそも平日昼間から映画館にいるなんて仕事はどうしたんだオッサン。なにか事情があるのかオッサン。と映画よりオッサンが気になって集中できなかったので観客が少ない時はカメラ男の宣伝は流さない方がいいと思います。ちなみに映画は『マイマイ新子と千年の魔法』で色鉛筆が良かった。