コスプレが苦手

コスプレが苦手だ。もちろんコスプレをするのではなくコスプレを見るのが苦手だ。街中やイベントで不意にコスプレイヤーと出会えば体が硬直し身構えてしまう。コスプレは見られることによって完成する訳だから別に見たって構わない、いやむしろ見ないと失礼だ。視姦してやる! そう頭では思っていても伏目がちになってしまう。こ、これじゃおれが女性とコミュニケーションできないダメ人間みたいじゃないかーと相談に行ったら「コスプレに関心が無いからでしょ」と言われて得心した。
例えば普通の人がコスプレイヤーを見た時は「〇〇のコスプレだー」とか「よく似てるなぁ」とか「何のキャラのコスプレかなー」など、元のアニメやゲームを通した感想が浮かぶのだろう。だがおれはコスプレに興味がないので、そのようなフィルターを通した感想が生まれない。
そんじゃどんなことを思うのかといえば「過度に露出の高い服を着た女だ!」「臀部を半分近く露呈させた女だ!」「下着を膣に食い込ませた毒婦が!」とダイレクトに劣情を催してしまう。コスプレには興味がないが淫靡な女の肉体には興味深々。おれにとってはコスプレもフーターズも同じ扱いなのだ。
つまり純粋にキャラクターが好きで衣装に身を包むコスプレイヤーさんを視姦してしまう己の下劣さに対する罪悪感。そしてそんな卑しい自分を見透かされてしまうのではないか。という恐怖からコスプレを直視できなかったのだ。
しかし苦手意識の原因が分かってしまえば後は楽だ。どうせ一種の自意識過剰みたいなもんでコスプレイヤーはおれがいやらしい目で見てるなんて気付く術もない訳だから全然大丈夫。オールOKこれから視姦しまくるぞー。と思ったら「でもコスプレ苦手とか言っときながらお尻ガン見してたよね」と注意されてしまった。ひえっ! バレてるー。