秒速5センチメートル 体重550トン

おれは新海誠氏の作品を見ている間どんどん体力が減っていくタイプのモンスターなので今回も苦行になりそうだとエチケット袋を用意して視聴に挑んだがそれほどでもなかった。前回の作品がバリア床だとすると今回は毒の沼地くらい。むしろ良かった。
ノボル君の童貞こじらせ具合を所属部活動によって的確に表してて、こういった制作者からの視点は前二作にはなかったんじゃないかなーと思った。中学はサッカー部なのに高校で弓道してるなんて、お前その間になに革命起こしちゃてんだよー。まさになぜオタはマイナースポーツに励みますか? を体現していて身震いがした。どうせならカバディしてくれ。君の心にふれるまで僕は言葉を囁きつづける、みたいなモノローグをいれて。タッチしたらダッシュやり逃げ。
大雪で電車が遅れて泣いちゃうノボル君を見て、うわー温室育ち出たよーとひとり突っ込んでたけど当時13歳なのか。それだったら泣くかもなー。下手すりゃ精通まだだろうし立派だよ立派。てーかコイツの人生の頂点は多分13だったんだろう。そりゃ13で下手にモテちゃったら身も崩すわ。おれも10歳のとき社宅の隣に住んでる人妻からモテてたから分かるよその気持ち。他にも2話目でコイツJAXAに就職するんだろーなー的な伏線はりながら結局はSE崩れになったようだったり、オッサンにムリヤリ電車のドア閉められたりとセカイ系と言われることに対する葛藤みたいなのが見え隠れして良かった。
一番面白かったのは特典映像で新海氏が喋っているのに猫が邪魔しにくるとこ。撮影を止めずにインタビューを続けるところが作品を体現しているようで。