若オタ徹カラ

アラサーのおれが平均年齢20歳の若オタ徹カラに突撃してきたんだが、おれの知ってる徹カラと全然違った。まず髪の色が茶・黄・金と彩色豊か。おれの徹カラメンバーは黒・黒・黒・若ハゲ・黒と「これから葬式でも始めるのか」と見間違える程の荘厳さを頭皮に備えていたが今の子たちは戦隊ヒーローさながら。それどころか徹カラなのに女がいるんですよ。女が。徹カラ+女と言う未知の組み合わせ。おれは深夜23時以降に女と同伴した経験が無いので、こ、こいつら一体ナニをするんだ。ナニを。と思ってたが普通に歌い出して二度ビックリ。そこで高音を出せる男が女性パートを代役するカラオケがいかに悲惨なものだったかを思い知らされた。音域が一オクターブ高い男は女ではなかったのだ。
ここまではキミタチの勝ちだ。それは認めよう。だがレパートリーの広さはどうかな。どうせ最近のオタなんて最近のアニソンしか歌えないんだろー。と高をくくっていたが予約される曲が『ボトムズ』やら『マイトガイン』やら『バラタック』やら昔のばかり。しかも2番までキチンと歌えてる。さらに流れるOP映像を肴に担当アニメーターについて語ったりもしている。仕舞いにゃ歌まで上手い。そして「先輩も遠慮せず予約してくださいよ〜」とよく気が利く。人間性においても上。完敗だ。
後輩から手渡された検索機を片手におれは止まっていた。そういえばカラオケへ行ってもナゴムと薬師丸ひろこしか歌えなかったのだ。瀧も卓球もケラもおれを救ってくれない。どうしよう。そうだオーケンだ。彼ならばこの窮地を打破してくれる。サブカルとオタを繋ぐ彼ならば。と入力した『セルゲームのお知らせ』がダダスベリ。「キ、キミタチは先週の『ドラゴンボール改』を見なかったのかー!」と説教しようかと思ったがそんな力は無かった。ナゴムオーケン鳥山明もおれを救ってはくれなかった。嫌がらせに女のいる前で『ボヨヨンロック』を熱唱するダメな先輩を演じることしか出来なかった。
これだけで終わるとただの変な人なので、ちょっと社会学的アプローチを試みて自意識を回復させると結構みんなボーカロイドの歌入れるのね。そんであからさまに人間に歌えないような曲。ボーカロイドのために作られたような曲を歌うのよ『初音ミクの消失』とか。このブログの平均読者年齢は恐らく32くらいなので判りやすく説明すると電気グルーヴの『B.B.E』をさらにアップテンポにしたような感じの曲を歌うの。そんで驚いたのが結構歌えてるのね。自動ピアノが発明され人間には弾けないような曲を演奏させたら人間も弾けるようになっちゃったみたいな感じで「キミタチは鉄朗になりたいの?」と聞きたくなったんだが、ネタが通じなかったらイヤだなーと黙ってた。おれは欲しいよ機械の身体。ネジになりたい。