コーヒーカップの女

また『true tears』について。最終話、比呂美さんが眞一郎くんを家へ誘うシーンのお話。男の子を家に呼ぶという大胆な行為をした比呂美さん。けれど何の進展もないまま眞一郎くんを帰してしまいます。はて、彼女は何がしたかったのでしょうか? まぁ一発ヤラせてあげて肉の力で浮気者の眞一郎くんを引き止めようとしたんだろうけど、それじゃあんまりなので理由をデッチ上げるため過去の回を振り返ってみます。今回が最終話についてなので、逆に初回を見てみましょう。
するとどうやらエロティックな場面は「2」がキーポイントになっているようなのです。例えば眞一郎くんと比呂美さんの淫靡な同棲生活は眞一郎くんが頭を「2回」下げることからスタートしていましたし、比呂美さんの着替えを覗いてしまうハプニングは眞一郎くんが服の臭いを「2回」嗅いだ後に起こりました。そして最終話のシーンでは比呂美さんの住まいが俯瞰で映されますが、そこには同じデザインのアパートが「2棟」映っています。さらに比呂美さんの部屋は「2階」ですね。その上、比呂美さんが自宅に入る瞬間が時系列を無視してなぜか「2回」描写されるのです。そのために部屋の中で何かエロティックな出来事が起きるのではないか、比呂美さんは何かエロティックな企みを持って眞一郎くんを自宅に招待したのではないか。と私たちの鼓動は高鳴るわけですが、5話でも同じ出来事が「2回」同じように時系列を無視して描写されたことも知っている私たちは、これから起きる出来事はまたしても比呂美さんを傷つけてしまうのでは。との不安にも襲われます。
そして極めつけに比呂美さんが部屋で出したケーキの数も「2つ」です。さらにスポンジが「2層」! これはエロい。しかし残念な事にコーヒーカップだけが「1つ」なのです。ダメです。これは問題だ。「1つ」ではエロティックなことができません。そこで比呂美さんは驚くべきバイタリティを発揮します。彼女はコーヒーカップを持つ眞一郎くんの手を取りそのまま自分の口へ運んでしまうのです。その後、眞一郎くんはアニメの主人公が持つほとんど暴力に近い鈍感さでこの危機を乗り越えるのですがそれはまた別の話。
とキャラの動作やら行為者やらカメラワークやらをごっちゃにして論じるペテンはここまでにして「同じカップでコーヒーを飲む」という行為が抑制を効かせた感じでこの作品に合ってて良いなーと思ったんだよなー。おんなじ色仕掛けでも例えば、眞一郎くんが家に入ったら比呂美さんはなぜか湯上り姿で「ごめん、おフロ入ってたんだ」とか最悪じゃん。考えただけでゲロ吐いちゃう。だけど「一つのコップで水を飲む」ってどっかで聞いたことあるんだよなー。なんだっけかなー。と思ったら向田邦子だ。

一組の男女が、コップいっぱいの水を分け合って飲むこともセックスだし、蜘蛛が口から糸を吐き出して自分の巣を作っていく、あれもセックスなのよね。
(「おそろしいドラマの爆弾」『阿修羅のごとく』解説)

おーエローい。比呂美さんは前日に『阿修羅のごとく』読んで「コレだ!」って思ったのかしら。とそこでまた思い出したんだけど、おれ中学生のときに同い年の蕎麦屋の娘さんと一緒に手打ち蕎麦つくったことあるんだよ。蜘蛛が糸で巣をつくるのがセックスなら、一緒に蕎麦を打つのもセックスに違いないわけで。その時も女の子と一緒に柔らかい物体を揉み合う行為に興奮していたんだけど、そうかアレはセックスだったのか。なるほどー知らぬ間におれセックスしてたのか。あとは思ったことを適当に。

  • 女の方から誘ってくるオタに都合の良い展開なのに怖いのはやっぱ雪かきのシーンでポニーテールしてるからだろーなー。母さん怖い。
  • 下着が映りまくる湯浅比呂美とパンツすら映らない石動乃絵ってーのはなんなんだろ。
    • ブラを見せることで男を追い出す湯浅比呂美とパンツを見せることでケンカを止める石動乃絵。
      • 石動乃絵は『女の平和』
  • DVDの「テレビから離れて見ろ警告」は巻数によって乃絵・比呂美・愛子の三人のヒロインが注意してくれる仕様なんだけど、どうしてお母さんのがないんだ。